俺のスターウォーズEP9

EP9の情報が少しずつ明らかになってきているが、その中でレイとスノークの正体とパルパティーンの役割について突如閃いたのでこの妄想を披露したい。またこの辺りはメインプロットにもなるだろうから、これを持ってストーリー予想に変えたい。

 


本論に入る前に、私が個人的にこれまでのスターウォーズEP1からEP8までのプロットの問題と思う部分を挙げておく。

 


1.ダース・プレイガスの悲劇問題

2.ミディ=クロリアン問題

3.クローンいつのまにか消える問題

4.パドメ語られなさすぎ問題

 


この妄想はこの4つの問題をEP9で全て解決してくれないかなーという期待に引っ張られています。

 


パルパティーンの意義

 


まず最初のトレーラーでみんな驚いたのは銀河皇帝パルパティーン再登場であるが、その驚きには良悪両面あったと思う。つまり人気キャラの再登場という驚きと、またお前かという驚き。これは制作サイドも予想できる反応で、だからこそ納得できる役割が与えられているはずだ。決して黒幕は実は生きていた銀河皇帝でしたとか、そういうことはあってはならない。

 


そこで銀河皇帝を再登場させる意義についてまず考えたい。この時に想起されるのが、EP3で語られ、アナキン・スカイウォーカーダース・ベイダーに堕とした最初の契機である「ダース・プレイガスの悲劇」だ。

 


ダースプレイガスの悲劇

https://starwars.fandom.com/ja/wiki/%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%82%B9


皇帝の師匠であるダースプレイガスはミディ=クロリアンと呼ばれるフォースを感知・操作する為の細胞内微生物を操って生命を作り出す秘技を習得したが、その秘技を狙った弟子のシディアス=皇帝に殺害された。

愛妻のパドメが死亡する未来を予知したアナキンはその秘技に惹かれて皇帝側に堕ちていくわけであるが、肝心のその秘技は実際のところシディアスも全て習得したわけではなく、ベイダーとなったアナキンに共に解明しようといったきり宙ぶらりんで終わってしまう。

 


ここでもう一つ重要な問題がある。

悪名高き「ミディ=クロリアン問題」である。ミディ=クロリアンというワードはEP1において幼少期のアナキンに類いまれなるフォースの才能があることを説明する際に、ミディ=クロリアンの数値が異常に高いという表現で使われたのが初出である。これが世界中のスターウォーズファンに悪い意味で衝撃を与えた。つまりミディ=クロリアンがフォースの強さを表す遺伝子的なものと解釈されて、結局のところ生まれが重要であるというイメージを植え付けてしまったのである(これについて私は誤解によるものが大きいと思っているがそれについては本論から外れるので省略)これによって凡人以下のオタク集団である全スターウォーズファン(私含む)が泣いたというのがミディ=クロリアン問題の概要である。

 


現在のスターウォーズ制作の潮流もこの問題にはかなり気を使っていて、EP8最後のジェダイと外伝のローグワンでは、選ばれた者だけのフォースから、みんなのフォースに揺り戻しをかけようとしている。

実はここにこそ皇帝パルパティーンを再登場させる意義があるのではないか。

 


◯オーダー66

 


具体的な話をする前にもうひとつ、これまでのシリーズで宙ぶらりんになったままの問題を取り上げたい。それはクローンの扱いである。

クローンはEP2で副題にもなったが、ストーリーでは銀河帝国の前身である銀河共和国の起死回生の主力部隊であり、大車輪の活躍を見せた。が同時にクローン部隊はパルパティーンの陰謀の一部であり、ジェダイ虐殺の実行部隊になる。その後クローンはいつのまにか表舞台から消え、銀河帝国の主力は生の人間であるストームトルーパーになるわけであるが、クローンが消えた理由は定説が確立していないのが現状で、いわばまだ誰にも食べられてない美味しい部分である。J Jがここを見逃すはずはないと私は思う。

 


ダース・プレイガスの秘技の話に戻ろう。ベイダー=アナキンはプレイガスの秘技を求めてダークサイドに堕ちたわけで、しかもその後愛妻パドメは予知通り死ぬのであるから、秘技の探求を諦めるはずがない。

一方パルパティーンも師匠を殺害するリスクを犯してまで手に入れようとした秘技の探求をあっさり辞めるとは思えない。

となると、ベイダーとパルパティーンはそれぞれの目的の為にこの秘技の探求を継続していたと考えるのが自然である。

 


問題はパルパティーンが秘技を探求する目的である。パルパティーンはシスの理念に精通した上、影の存在であったダークサイドを銀河帝国という形で歴史の表面とすることに成功した大家である。しかしその無敵のシスにも弱点がある。シスの掟である。

 


シスには、師匠と弟子の2人しか存在してはならないという鉄の掟がある。

ダークサイドはたしかに強力であるが、極めれば極めるほど精神が暗黒面に堕ち裏切りの誘惑に晒されるリスクがある。

 


シスの掟

https://starwars.fandom.com/ja/wiki/2%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%8E%9F

 


シスはその性質ゆえに数的不利を背負っているのである。

シスの世を作ろうとしたパルパティーンがこれを解決しようとするのは必然であろう。

 


その為には裏切りのリスクを回避する手段があれば良い。そしてその手段はEP3の時点でパルパティーンの手中にあり、しかも実績を挙げている。オーダー66である。

 


オーダー66

https://starwars.fandom.com/ja/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC66


パルパティーンによって整備・編成されたクローンは、パルパティーンの一声でジェダイを殲滅した絶対に裏切らない兵士である。

問題は彼らがフォース能力者ではないということだが、そこにプレイガスの秘技である。

 


そもそもミディ=クロリアンを操作して生命を作り出すというプレイガスの秘技とクローン製造というのは親和性が非常に高い。というより、生命を作り出すという点においてほぼ同じ技術である。そして両技術共にパルパティーンが握っている。

 

とするとパルパティーンは当初から2つの技術を組み合わせるつもりであったと考えてもおかしくはない。

 


そうしてシスの掟を超越したシス・オーダーを再興し、フォースのバランス修正を無視して恒久的なダークサイドの世を構築する。これがパルパティーンの計画であった。

 


と考えるのは如何だろうか。

 


◯レイの正体

 


ではそれが新新三部作にどう絡んでくるのか。

 


実は一部の優秀なクローンには愛称のような名前がついている。コーディ、レックス、オッドボールなどといったエース・クローン達である。彼らはファーストネームのみで、ファミリーネームを持たない。

 


レックス

https://starwars.fandom.com/ja/wiki/CT-7567

 


ところで新新三部作にもファミリーネームを持たない人物がいる。

レイ、フィン、スノークである。

 


このうちフィンは物心つく前に戦闘マシンとして訓練された少年兵で名前を持たず、ポー・ダメロンによって名付けられたことになっている。

 


レイのファミリーネームは当初スカイウォーカーの血筋を隠すために伏せられていると考えられたがそれはミスリードであったことが最後のジェダイで判明する。

 


スノークは、ラカタであると予想したトンチキがいたが(私のことです)結局すべてが謎のまま死んだ。

 


もうお分かりかと思うが私の予想は、

 


レイとスノークパルパティーンの人工シス製造計画の産物である。

 


というものだ。

 


ここに突如トレーラーに登場した通称闇落ちレイの存在と、最後に残ったパドメの問題、詳しくいうとこれまでルーク・レイアの母でありながら旧三部作以降の歴史でほとんど語られないパドメの問題を加えて具体的に説明したいと思う。

 


パルパティーンはベイダーと協力してフォースが強く命令に忠実な人工シスを製造する計画を立てた。その過程で生まれたのがスノークである。ところがスノークは初期の試作品で所詮劣化パルパティーンでしかなく顔も醜く崩れてしまう。

 


一方ベイダーの悲願は人工シス軍団ではなくパドメの復活である。ベイダーはクローン技術とプレイガスの秘技を使ってパドメの生まれ変わりを人工的に誕生させようとした。その成功を待たずしてベイダーは死亡するが、その計画は主導者を欠いたまま継続し(後述)、ついにパドメの生まれ変わりが誕生する。それがレイである。

 


エンドアの戦いでパルパティーンを失ったスノークであるが、パルパティーンの意思を忠実に実行する装置としてデザインされたスノークは、パルパティーンの行動を焼き直すことしかできない。ファーストオーダー、スカイウォーカーへの固執とカイロ・レンの訓練、レイへの誘惑、ファンサービスとしてパルパティーンに似せていたと思われたフォースの覚醒以後のスノークの行動は、そうするしか生きられないスノークの悲しい性なのである。人工シス製造計画も、パルパティーンの意思を再現するスノークによって継続される。

 


ベイダーのパドメ復活計画とパルパティーンの人工シス製造計画は、両主導者を失って前者が後者に吸収される形で一本化される。レイは、ジェダイでないただの人であったパドメの純粋な人工転生者なので、フォース能力者としての調整はなされておらず、その為に廃棄され、ジャクーで拾われ、酒代のために売られる。

 


その後きちんとミディ=クロリアンを操作して製造された人工シス、マスプロダクションとしてレイ型のシスが生産される。これが闇堕ちレイである。つまり闇堕ちレイは、みんなの大嫌いなミディ=クロリアン問題の権化である。

 


ところがミディ=クロリアン的には凡人としてデザインされたレイが強いフォースに目覚め、闇堕ちレイと対決し、打倒する。

これで物語的にもミディ=クロリアン重要説を否定するのである。

 


また、レイとレイアは特別な絆で結ばれているように描かれるシーンが多く、これはレイアがレイを娘のように思っていると思われたが、実は逆なのだ。

 


そしてよく見るとレイとパドメは無鉄砲で活動的な性格も良く似ているし、メイキャップも似せているように思えなくもない(さすがに無理あるか)。

 


なにより、なぜかスターウォーズを語る際パドメが脇に追いやられるという問題が解決されるし、女性を主人公にしたことにストーリー的な深みを与えることができると思う。

 


◯カイロ・レンについて

 


この妄想によるとレイとカイロ・レンのグラデーションがはっきりする。

 


カイロ・レンは歴史を背負って生まれたが故にその歴史に縛られ、ついにその歴史自体を破壊することで自らの時代に意味を持たせようとする。

 


参考カイロレンのセリフ

It's time to let old things die. Snoke,Skywalker. The Sith,the Jedi,the Rebels.... let it all die.

(古きモノを葬る時が来た。スノーク、スカイウォーカー、シス、ジェダイ、反乱軍、全て葬り去るのだ)

 


対してレイは、なんの歴史も持たない人工物として生まれてきたにも関わらず、歴史を背負って戦うのだ。

 


ではカイロ・レンにとってレイは何者なのか。

 


レイがパドメの生まれ変わりだとすると、カイロ・レンにとってレイは古きモノのひとつであり、破壊対象である。

 


最後のジェダイにおけるカイロ・レンのレイに対する態度は以下のような様子である。

 


参考カイロ・レンのセリフ

Do you wanna know the truth about your parents? Or have you always known? And you've just hidden it away. You know the truth. Say it. Say it. REY: They were nobody. KYLO REN: They were filthy junk traders who sold you off for drinking money. They're dead in a paupers' grave in the Jakku desert. You have no place in this story. You come from nothing. You're nothing. But not to me. Join me. Please.

(レン お前の生まれの真実を知りたいか?あるいはずっと知っていたか?お前はただそれを見えないようにしていただけだ。お前はすでに知っている。言え!言うんだ!

レイ 両親は何者でもなかった

レン お前の両親は汚いジャンク屋だった。お前は酒代の為に売られただけだ。彼らはジャクーの貧民墓地に埋まってる。この物語にお前の居場所はない!お前は無から生まれたのだ。お前は何者でもない。でも俺にとっては違う。私につけ。頼む!)

 


改めてこのセリフを見ると、レンは必死にレイを「何者でもない存在」にしたがっているように見える。

 


最後のジェダイにおいてレンはレイと感応してレイの両親について知るが、その際にそれが育ての親に過ぎず、実はクローン技術によって生まれた自分の祖母の生まれ変わりであると知ったとすればどうだろう。

 


レイは何者でもない人工物という側面と、スカイウォーカー家の生みの母という側面の両面性を持つ存在である。

いわばカイロ・レンにとって、歴史を全く持たない理想的な存在であると同時に、破壊すべき歴史そのものでもある。

だからこそレンは、レイを前者に留めておきたいのではないだろうか。

 


言い換えれば、レイにパドメとしてではなくレイとして生きてもらいたい。レイとしての存在意義をもたせたい、という欲求がレンにはあるのではないか。

 


レイが自身の正体という悲しい宿命を知らないままにしてやる為にレイと衝突する、とかだといまひとつヘタレなレン君にもいい味が出るのではないかな。

 


もしくはカリスマとして神格化していた祖父のベイダーが、妻への愛の為にダークサイドに堕ちた俗物であったことを知っていよいよ暴走するとかでもおもしろいかもね。